2023 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.5 OKUIBUKI

2023 ROUND 5 OKUIBUKI

拝啓
 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 グッドライドジャパン株式会社は、昨年に引き続きグッドライドモータースポーツとして、フォーミュラドリフトジャパンに参戦することになりました。
 昨シーズンからはチーム体制を強化し、2021年のFDJ2チャンピオンの山中真生選手、アメリカのフォーミュラドリフトで活躍する益山航選手に加え、ベテランとして知られている日比野哲也選手をワークスドライバーに抜擢して2023年シリーズを戦い、堀野仁選手と雨谷雄・選手をセミワークスドライバーとしてサポートしています。
 今シーズンもスポンサー各社のご支援とご協力のおかげでシリーズを戦い抜くことができ、誠にありがとうございます。つきましては8月19日(土)-20日(日)に、滋賀県の奥伊吹モーターパークにて開催された第5戦の報告をまとめましたので、ご一読いただければ幸いです。

【イベント概要】
名称 2023 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.5 OKUIBUKI
開催日 8月19日(土)-20日(日)
開催場所 奥伊吹モーターパーク (滋賀県)

【チーム概要】
チーム名 GOODRIDE MOTORSPORTS (グッドライドモータースポーツ)
代表 蕭偉城 
統括ディレクター 山中 健司
レースディレクター ラーマン・ラセル
副代表 上甲 盛一、中村 圭太
チームディレクター 高砂岳美
ワークスドライバー 山中 真生 / 益山 航 / 日比野 哲也
チームマネージャー 須原綾乃
セミワークスドライバー 堀野仁 / 雨谷 雄一

【ワークスチームリザルト】

【セミワークスチームリザルト】


第5戦は土手に向かって飛び込む奥伊吹が舞台!

 2023年8月19日(土)~20日(日)の2日間、滋賀県の奥伊吹モーターパークにて、フォーミュラドリフトジャパンの第5戦が開催されました。
 競技区間は、例年と同じく第4駐車場付近の通路からスタートし、上り勾配を加速。上手に向かって振り出して第2駐車場をぐるりとまわってフィニッシュとなるレイアウトです。とくに、振り出し区間は土手に向かって飛び込むカタチになるため、ワンミスが大きなクラッシュにつながるデンジャラスかつチャレンジングなコースとなります。
 グッドライドモータースポーツとしては、ワークスドライバーの山中選手、益山選手、日比野選手、セミワークスドライバーの堀野選手、雨谷選手が参戦。ここまでの4戦の結果から、なかなか苦しい戦いが続いていますが、ひとつでも上の順位を目指すべく、チーム一丸となって奥伊吹戦に挑んでまいりました。
 第5戦のMCはおなじみの冴場都夢さん、解説には谷口信輝さん。ジャッジはラビー西田さん、今村陽一さん、ショーン・エイドリアーノさんが担当しています。
 まずは19日(土)の予選。路面はドライコンディションです。
 グッドライドモータースポーツ勢最初の走者は雨谷選手。しかし、1本目はゾーン1をはずして得点は伸びず66点。続く堀野選手は、2021年1位通過を決めた実績があるものの、進入でクラッシュパッドに接触して0点。セミワークスのふたりは、2本目に勝負をかける必要が出てしまいました。

会場は滋賀県にある奥伊吹モーターパーク。フォーミュラドリフトジャパンでは名物となっているコースで、登り勾配のきつい加速区間から上手に向かった振り出しが迫力満点です。
益山選手は、1本目からポイントを抑えた走りで予選通過確実となる80点超えの得点を出し、2本目はさらに攻めた走りで84点をマーク。16位で予選突破を決めました。
「かなりクルマが仕上がってきた」という日比野選手は、2本目に鋭く大きな角度まで一気に向きを変える走りを披露。点は伸びなかったものの、1本目の点で17位通過を決めました。

ワークスドライバー3名がトップ32に進出!

 ここで、嫌な流れを断ち切ったのは練習から好走を連発していた山中選手で、勢いのある振り出しから要所を抑えた走りで82点を獲得。さらに、昨年度の同ラウンドで単走優勝の益山選手が81点と続き、日比野選手は鋭い振りで会場を沸かせ、タイル38点を含む、トータル84点で、予選通過を確実なものとしました。
 そして2本目。雨谷選手は1本目よりも完成度の高い走りを決めてきましたが74点。堀野選手は振り出し直後に姿勢が乱れて大きく戻ってまたもや0点。山中選手も攻めた走行で観客を魅了しましたが、得点は伸ばせませんでした。
 続く益山選手は、ミスのないライン取りの走りを決めて3ポイント得点を伸ばして84点。日比野選手は、更に進入角度に磨きをかけてきましたが、ふらつきを取られたのか評価は上がらず83点となり、1本目の得点がベストスコアとなりました。
 結果、益山選手が16位通過、日比野選手が17位通過、山中選手が25位通過を決めたものの、雨谷選手と堀野選手は惜しくも、予選敗退となってしましました。

SUGOに続いて今回も1本日から得点を残し、2本日に勝負する組み立てを成功させた山中選手。2本日のチャレンジは失敗したものの、25位で予選を突破しました

トップ32では日比野vs益山のチームメイト対戦が実現!

 20日(日)の決勝日は晴天に恵まれ、ドライコンディションで競技がおこなわれました。
 グッドライドモータースポーツからは、日比野選手、益山選手、山中選手と、ワークスドライバー3名がトップ32に進出しています。
 まずは、日比野選手と益山選手のチームメイト対決。正々堂々たる熱いバトルが期待され、双方譲らぬ走りは、さながらCMようで、大いに会場を盛り上げました。
 両者素晴らしい走りなうえ、互いの距離も近かったため、勝負は互角に見えましたが、日比野選手の後追い時の走行ラインがやや小さかったという判定で、益山選手が勝利。トップ16へと駒を進めました。
 そして、山中選手は「普段から仲良くさせてもらっている選手ですね」という岡部選手と対戦。後追いスタートの1本目は、やや小さなラインとなってしまった山中選手でしたが、入れ替えた2本目は相手を大きく引き離す走りが評価され、勝利しました。
 トップ16。益山選手は、昨年のSUGOラウンドで戦った小橋選手との対決。1本目は後追いスタートとなった益山選手は、振り出し直後にオーバーランしてクラッシュパッドに接触。勢いはとどまることを知らず、攻めの姿勢を維持しましたが、2本目の走行では小橋選手がガッツリ入り込んだこともあって、ここで敗退する結果となってしまいました。

トップ16。小橋選手と対戦した益山選手でしたが、後追いの1本目にオーバーランしてしまい、その影響から2本目も果敢に攻めましたが、ここで敗退する結果となってしまいました。
日比野選手vs益山選手の対決となったトップ32。両者ともに素晴らしい走りではありましたが、日比野選手の後追い時のラインがやや小さくなったことで、益山選手が勝利しました。
トップ8。小橋選手とGRスープラ同士の対決となった山中選手。大きなミスはなかったものの、後追い時の接近度でうわまわれてしまい、惜しくも敗退する結果となってしまいました。

好調の山中はトップ8で小橋に惜敗!

 いっぽう、山中選手はミンミン選手と対戦。1本目は後追いスタートだった山中選手は「相手があんまり乗れていなさそうだったから・・・」と、コントロールしきれる距離感を保って進入したところ、予感的中。ミンミン選手がクラッシュパッドに接触し、山中選手はとっさの判断で回避して勝利。トップ8に進出しました。
 そしてトップ8で対戦したのは、先ほど益山選手を倒して勝ち上がってきた小橋選手です。
 1本目。ここでも後追いからのスタートとなった山中選手は、飛び出しは好調でしたが、ゾーン2が取れず、距離感も気になる走行となりました。
 そして入れ替えた2本目の先行は、ラインをしっかりと意識した圧巻の走行でしたが、そんな山中選手に対して、後追いの小橋選手もキッチリと詰め寄ってきて勝負あり!惜しくも敗退となって、7位という順位で奥伊吹ラウンドが幕を閉じました。
 次戦は、10月7日(土)・8日(日)に岡山国際サーキットで開催される最終戦。選手たちは「来年につながるような走りを決めたい」と意気込んでいるので、チームの活躍をご期待ください。

トップ16。挙動の安定しないミンミン選手に対して冷静に対処した山中選手。先行の2本目もキッチリと走り切って勝利し、トップ8へと駒を進めました。

 今回の奥伊吹戦は本当にトラブルが出なくて、練習日から決勝日まで走り切ることができました。
 ドライブシャフトへの負担を考慮して必要以上にトラクションをかけないように、乗りやすさを重視したセットにしたってのも要因ですが、チーム的にもトラブル対策してくれたり、メンテナンスもキッチリしてくれていたので、そういったことの成果が出てきたと思います。
 ただ、小橋選手との戦いでも感じたことですが、セット的にはもっとトラクションをかける方向にして、それでいて壊れないようにしないと、優勝を目指すにはまだちょっと足りないな・・・と。そこは今後の課題ですね。
 まぁそんな感じでトラブルが一切出なかったおかげもあって、練習日から最小限の本数・・・前日と当日合わせて7本くらいでしたかね。もう2本目あたりから「これなら予選通過はまちがいないだろう」ってところまで仕上げられたので、あとの走行で細かい部分までセットを詰めることができました。
 予選では、自分のなかでも課題にしていた 「1本目から通過する得点を残す」ということを、SUGO戦に続いて奥伊吹戦でも実践できたはよかったです。
 2本目は日比野さんみたいなパキッと降り出す走りにチャレンジしたんですが、ミスってしまって得点を伸ばせませんでしたし、まわりのみんなが得点を伸ばしてきたので、かなり下での予選通過になってしまいましたけどね・・・。
 決勝日は、相手のミスにも助けられて、トップ32では岡部選手を、トップ16ではミンミン選手を倒して勝ちあがれたんですが、トップ8での小橋選手との対戦は、さきほども言った通り、1本目の後追いは直線で離されて追っかけモードになってしまいましたし、先行はミスなく走ったんですけど、バチバチに入られてしまって・・・完敗でした。
 富士もそうですけど、トラブルなければベスト8以上に行けてるので、今年は前半戦でトラブルが続いてしまってあれですけど、そこをなくせば表彰台も見えてきくるな・・・と。
 チームとしても確実にいい方向に向かえてると感じてますし、チャンピオン争いはできなかったけど、1年を通してみたらいい雰囲気で終えられたな、と思えるように最終戦はシリーズは気にせずに勝てる仕様を詰めていきたいと思いますし、来年につながるような、みんながすごいなと思ってくれるような走りをしたいですね。


 奥伊吹戦に向けてマシンの事前準備はしてきたんですけど、どうにも去年みたいな感じで乗れなくて・・・なにかしらの不安要素を感じながら・・・という状態でしたね。
 GRヤリスに乗っているクスコレーシングのヒロくんもおなじような症状みたいで、インフィールドでフロントがロックしちゃたりしてて・・・。
 去年はそんなことなかったんだけど、木曜日の練習日の1本目から刺さりかけてしまって・・・。朝イチの1発目だし、抑えてたんですけどね。なので、トーをめっちゃ開いてみたりして、なんとか走れるくらいにはした、という仕上がりでした。
 ハンドル切ってもぜんぜん曲がっていかなくて、そこはなんとかしたけど、インフィールドの振り返しで、一瞬でスピンしちゃうような状態でした。
 そんな状態だったのを考えると、19日(土)の予選はうまくまとめた・・・というか、いまのできる限りのことをやったのかな、という感じでしたね。
 で、20日(日)のトップ32は、日比野さんと。正直、ここで日比野さんをやっつけちゃうと、チームとしてシリーズ戦えるひとがいなくなっちゃうんですけど、そこは正々堂々と、おたがいにいい走りをしてワンモアタイムになるような走りを見せようと話してたんですよ。
 それなのに日比野さんがまさかインチョロになってしまうなんて・・・。本音を言えばもう1セット戦いたかったし、アチャーというかんじですが、まあいい追走を見せれたからいいかな、というところです。じつはZのほうがトラクションが強くて速かったんで、後追いで待ち切れなかったのかなとも思います。ピットもなんとも言えない空気でしたし・・・。
 続く小橋選手とのトップ16は・・・まぁいまのセットではムリでしたね。
 勝負をかけにいったけど、去年のS15シルビアのときとはぜんぜん違ってて、GRスープラはかなりトラクションもかけてきたから、いまのGRヤリスとセットではついていけないな・・・と。
 もう次戦は最終戦で、去年結果が出た場所ではありますけど、このままでは雨が降ってくれないとちょっとつらいかなという状態です。
 とはいえ、なんとかするしかないと思いますし、ヒロくんともううまく情報交換して、うまいこと走れるセットを探ってがんばらなきゃいけませんし、例の彼も出てくるので、気持ちを切り替えて挑みたいと思いますね。


 今回の奥伊吹戦に向けて、チームとしてはRZ34だけじゃなくてGRスープラとかGRヤリスにもあれこれ手を加えなきゃいけなかったこともあって、本番前にテストはできなかったんだよね。
 だけど、奥伊吹の会場には、台湾からアーツーが来てくれていて、足まわりのセットとかを相談しながら練習を重ねることで、かなり進化させることができたと思う。
 前回のSUGOは真生が事前にアッカーマンのセットを出してくれていたんだけど、それがちょっとコースに合ってなかったというのもあったから、いろいろイジった状態ではあったんだけど、今回はそれを一旦真生の出してくれたセットに戻してから、アーツーと「あーでもな い、こーでもない」と相談してアッカーマンを自分が思うように動かせるような仕様に変えることで、振り出しでケツ進入できるように、いい角度で走れるようになったんだよ。
 予選の1本目はとりあえずという感じで走って通過する程度の得点は残せたから、2本目はその理想とする走りを実際にやってみて・・・自分なりにも手応えは感じる仕上がりにはなったと思う。
 まぁ、審査的にはパキンと振り出したあとの角度の振れがかなり減点されちゃったみたいで、得点自体は83点と伸ばせなかったけど、自分の思うような、やりたい走りってのが煮詰まってきたかんじかな。
 決勝日のトップ32はまさかの身内対決だったけど、おたがいにワンモアタイムの連発になるようないい勝負をしよう!ってのを目指してたんだけど、俺が後追いのときにラインが小さくなってしまって・・・。距離感とかはよかったと思うけど、ライン減点が思いのほか大きく取られて1回で勝負が終わってしまったかんじかな。
 まぁ第5戦としてはここで終わったわけだけど、今回はトラブルらしいトラブルもなかったし、確実にマシンは進歩しているよね。
 次はもう最終戦で、岡山国際サーキットはコース自体が大きいから、アングルキットのセットがそのままいけるかどうかってのは現地で確認が必要だけど、またWRCのチャンピオンが来るみたいだから、だれが彼がやっる必要があると思う。
 たぶんマシンのスペック的には負けてないから、そのあたりは十分勝負できると思ってるから、自分がやっつけたいなってところだよね。


 今回からハンドリングを改善させるためにS14ラックからJZS161ラックに変更してきたんですが、それがマシンにも奥伊吹というコースにもうまくマッチさせることができず、走るたびに逆関節状態になってしまって・・・。
 練習日の1本目は様子見したんですが、2本目で「さあいくぞ」というところで症状が出てクラッシュ・・・。クルマ的なダメージもけっこうあって、それをなんとか予選までにしていこうと足掻いては見たんですが、現場でなんとかなるレベルではなかったです。
 マシン制作もすべて自分でやってるから、とうぜん責任は自分にありますし、ドライビングでなんとかしようというとしていたのが、よけいに裏目に出てしまい、予選では2本とも得点を残すことはできませんでした。
 メンバーもラックの前出し加工はしていたとはいえ、最適化されていなかったと思いますし、人生で初というくらいのクラッシュ回数でになってしまったので、次戦までにはメンバーを新品に変えたうえで作り直して、ワイズファブも一旦やめて、ウィステリアのナックルに変更。フロントまわりを大幅変更していこうと思っています。
 いままでワイズファブを使いこなすために足掻いてきたんですが、そこを見直すためにも最先端というわけではないですが、一旦リセットさせるためにオーソドックスな足回りにして、最終戦ではなんとしても結果を出すために狙っていきたいと思っています。


 今年は本当にバランスが悪いというか、前半はクルマがうまくいかなくて、トラブルが直ってからはドライビングが悪くて・・・と、なかなかうまくいかない感じですね。
 奥伊吹戦はクルマ的にはまったく問題なかくて、自分的なドライビングミスというか、ラインというか、もうタイヤ1本分ゾーンに入れることができなかった、というところです。
 まぁ、正直言えば、去年までだったら十分点が出ていたと思いますが、急速にレベルも上がっていますし、スタート順がかなりはじめのほうという際のも影響はあったと思います。
 1本目を走り終えて得点の出かたが渋いなと思ったので、2本目はもううちょい奥で振ろうと思ってエアを下げて行ったら、解説の谷口さんも言ってましたけど、思ったよりもタイヤが食ってしまった状態でした。
 全体の流れは悪くなかったと思っていたけど、あとわずか、本当にタイヤ1本分から2本分だけ外側行けてれば、というところではありますが、そこも圧倒的に通過できる走りをすればいいと考えると、言い訳ですよね。
 とは言え、もう今シーズンもあと岡山国際での1戦を残すのみになってしまいましたし、今回はなんも言い訳もできないくらいの自分のミスだと思います。
 奥伊吹はいままで1回も予選落ちたことないコースなので、ショックではありましたけど、次戦に向けて気持ちを切り替えて行こうと思います。

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