2023 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.2 EBISU

2023 ROUND 2 EBISU

拝啓
 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 グッドライドジャパン株式会社は、昨年に引き続きグッドライドモータースポーツとして、 フォーミュラドリフトジャパンに参戦することになりました。
 昨シーズンからはチーム体制を強化し、2021年のFDJ2チャンピオンの山中真生選手、アメリカのフォーミュラドリフトで活躍する益山航選手に加え、ベテランとして知られている日比野山選手をワークスドライバーに抜擢して2023年シリーズを戦い、堀野仁選手と雨谷雄一選手をセミワークスドライバーとしてサポートしています。
 今シーズンもスポンサー各社のご支援とご協力のおかげでシリーズを戦い抜くことができ、誠にありがとうございます。つきましては5月20日(土)-21(日)に、福島県のエビスサーキットにて開催された第2戦の報告をまとめましたので、ご一読いただければ幸いです。

【イベント概要】
名称 2023 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.2 EBISU
開催日 5月20日(土)-21日 (日)
開催場所 エビスサーキット (福島県)

【チーム概要】
チーム名 GOODRIDE MOTORSPORTS (グッドライドモータースポーツ)
代表 蕭偉城
統括ディレクター 山中健司
レースディレクター ラーマン・ラセル
副代表 上甲盛一 中村圭太
チームディレクター 高砂岳美
ワークスドライバー 山中真生/益山航/日比野哲也
チームマネージャー 須原 綾乃
セミワークスドライバー 堀野仁/雨谷雄一

【ワークスチームリザルト】

【セミワークスチームリザルト】


高速コースのエビス西でシリーズ第2戦が開催!

 2023年5月20日(土)~21日(日)の2日間、福島県のエビスサーキットにて、 フォーミュラドリフトジャパンの第2戦が開催されました。
 競技区間は、例年と同じくホームストレートから2コーナーの立ち上がりまで。アウトアウトアウトを目指すゾーン設定にも変更はなく、車速を保ちつつもコースアウトしないギリギリを攻める必要がある難易度の高いレイアウトとなっています。
 グッドライドモータースポーツとしては、昨年から引き続き2021年のFDJ2チャンピオンの経験を持ち、昨シーズンは11位を獲得した山中選手。アメリカのフォーミュラドリフトでも活躍しており、昨シー ズンはチームに初優勝をもたらし、ランキング4位を獲得した益山選手。さらにベテラン日比野選手を迎えてチーム体制を強化。また、セミワークスとして堀野仁選手と雨谷雄一選手が参加しており、それぞれ の活躍が期待されます。
 第2戦のMCはおなじみの冴場都夢さん、解説には谷口信輝さん。ジャッジは今村陽一さん、ラビー西田さん、シェーン・エイドリアンさんが担当しています。
 そしてはじまった予選。1本目はウェッ ト路面での走行となりました。

 会場は福島県にあるエビスサーキット。 競技区間はこそ例年と変わらないものの、アウトアウトアウトを目指すゾーン設定に変更されたことで、適切なライン撮りが求められます。
予選2本目。逆フリから鋭い振り出しを決めた日比野選手は、少しラインに乱れがあったものの、うまく走りをまとめて80点を獲得。14位で予選突破を果たしました。

山中はドライブシャフトブロー で予選突破を逃す

 グッドライドモータースポーツとしては、雨谷選手がウェット路面とは思えない勢いのある飛び込みを見せて通過確実と なる83点を出しましたが、堀野選手と益山選手はまずまずの得点を残したものの、もうひと伸びほしいところ。 山中選手と日比野選手はドリフトが戻るミスがあって0点となり、2本目になんとか得点を残さなければならなくなりました。
 そして2本目。降り続いていた雨も上がり、 路面コンディションはドライ。 感覚の切り替えが精度が試される状況となりました。
 得点こそ伸びなかったものの、ここでも雨谷選手はキレのある走りを見せ、復調を予感させます。
 もうひと伸びてほしい堀野選手と益山選手も、1本目より完成度の高い走りを決めて予選通過を確実なものとすると、日比野選手もうまく走りをまとめて、80点を獲得しました。
 しかし、これまで練習走行では好走を連発していた山中選手は、ふたつ目のゾーンでまさかのドライブシャフトブローとなり、2戦連続で予選敗退となってしまいました。
 グッドライトモータースポーツとしては雨谷選手が8位、益山選手が9位、日比野選手が14位、堀野選手が27位で予選を突破し、決勝での活躍に期待がかかる結果となりました。

1本目から安定度のある走りを決めていた益山選手は、ドライ路面でもきっちりとポイントを押さえた走りを決め、83点まで得点を伸ばし、9位で予選通過を決めました。
1本目に得点を残せなかった山中選手は、2本目に攻めた走りを見せましたが、2ゾーンの途中でドライブシャフトがブロー。まさかの予選敗退となってしまいました

雨谷、益山、堀野は、ともにトップ32でまさかの敗退!

 21日 (日) の決勝日。快晴のなかトップ32のトーナメントが争われました。
 まずは雨谷選手が久保選手と対戦。1本目先行の雨谷選手は鋭い振り出しを決めたものの2ゾーンへの付きかたが甘くなってしまいます。入れ替えた2本目、後追いの雨谷選手は近い距離から振り出しましたが、2ゾーンで大きくコースアウト。これが決め手となって敗退となりました。
 続いて益山選手は村上選手と対戦。綺麗に走り切ったように見えた先行の益山選手でしたが2ゾーンで一瞬戻ってしまいます。いっぽう後追いの村上選手に大きなミスがあったことから、ワンモアタイムにもつれ込みます。
 しかし、ワンモアタイム直前のウォーミングアップで益山選手のGRヤリスがまさかのエンジンブロー。 ピットに戻ってチェックしましたが、修復できるレベルの損傷ではなく、ここで敗退となりました。
 そして田中選手と対戦した日比野選手は、先行の1本目は豪快な振り出しから深い角度のドリフトを決め、後追いの田中選手に大きなミスがあったこともあり、2本目もミスなく走り切った日比野選手が勝ち上がりました。
 最後は久々の予選突破となった堀野選手でしたが、後追いの1本目で最後の最後 に大きく戻ってしまうミス!2本目はミスなく走ったものの、1本目の差を逆転するまでには至らず、ここで敗退となりました。

トップ32。久保選手と対戦した谷選手は、予選のときのような勢いのある走りを決めていましたが、後追い時にコースをハミ出してしまい敗退となりました。
トップ16。ワンモアタイムにもつれた戦いでしたが、その2本目、選考の日比野選手のマシンにまさかのトラブルが発生し、ドリフトを維持できず、ここで敗退となりました

トップ16進出の日比野もトラブルに発生で惜敗

 グッドライドモータースポーツでただひとり勝ち上がった日比野選手は、強豪の小橋選手と対戦しましたが、最初の1セットでは決着がつかず、ワンモアタイムに突入します。
 その1本目、先行の小橋選手がややギクシャクするなか、落ち着いたコントロールで後追いの日比野選手がついていきいます。
 そして入れ替えた2本目。先行の日比野選手は果敢に加速して振り出しましたが、ふたつ目ゾーン直後にドリフトが戻ってしまいます。
 どうやらミッションがブローしてしまったようで、ここで敗退となりました。
 最終的に第2戦エビスは、日比野選手が12位、雨谷選手が18位、益山選手が19位、堀野選手が27位という結果になりました。
 セミワークスの2名がいい走りを決め、復調の兆しが見えたラウンドではありましたが、チーム全体としてはなかなか上位進出ができず、悔しい戦績となってしまいました。
 次戦の富士はトラブル対策を万全にし、より体制を強化していきますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

トップ32。村上選手と対戦した益山選手。ワンモアタイムにもつれた戦いでしたが、ウォーミングアップでエンジンブローしてしまい、 ワンモアタイムを走ることなく敗退となりました。
ひさびさの予選突破を果たした堀野選手でしたが、トップ32の対戦で先行に合わせきれず、最後の最後で戻ってしまいトップ16に進出することはできませんでした。

 どんなに対策しても壊れるときには壊れるってパーツが壊れてしまったのは、しょうがないことなんですけども…2戦連続でトラブルに泣かされたかんじです。
 GRスープラは、自分的には本当に乗りやすくて、練習でもいい走りができてるだけに、でもそれが本番で見せられないというのは悔しいですね。
 トラブル対策してきたところがテストできてないのと、新規車両ということもあって、今回も木曜日から現地入りして、走行を重ねていました。木曜日に続いて金曜日もトラブルらしいトラブルはなく、ドライ路面ではすごくいいセットが出て、かなりいい感触を掴めたと思います。
 予選日となる土曜日は天気予報がはずれて雨。GRスープラでのウェット路面ははじめてだったのですが、タイヤのサイズだったり空気圧だったりを調整して朝イチの練習を走ったら、ほんとに乗りやすくて…。
 スポッターをしてもらっている風間靖幸さんにも「雨でもぜんぜん悪くない」といってもらえましたし、慣れているわけではないけど、すごくいい感触でした。
 そして予選の1本目。クルマの感触はよかったですし、タッチアンドゴーまではかなりいい調子だったんですが、そこで一瞬戻ってしまって0点…。それがなければ通過点だったと思うんですが、うまくまとめられませんでした。
 1本目が終わって2本目になるころには路面が乾いてきたのでドライのセットに戻して走行しました。
 スポット参加していたロバンペラ選手にも勝てるんじゃないか、というくらいにセットは決まっていたんですが、スタートして逆に振るタイミングでちょっとクルマの挙動がおかしくて…。
 その後も無理やりコントロールしていったんですが、2ゾーンを通過するタイミングでアクセルを踏んだら、その瞬間にドライブシャフトが折れて駆動が伝わらなくなってしまい、2本目も得点を残すことができませんでした。
 トラブルはしょうがないにしても、1本目から得点を残せていれば…とも思いますが、結果的に2戦連続落としてしまったのは本当に悔しいですね。
 D1ライツではきっちりできてることが、FDJではなぜかできないし、チーム的にも流れがよくないですし…。
 ただ、本番に決められれば結果はついてくるというのはわかってるので、次戦こそはこれまでのデータを生かして挽回していきたいと思います。


 今回は木曜日から会場入りしていたんですが、パワステがトラブってしまって…。 金曜日も含めて2周くらいしか走れなかったですね。
 最初はパワステポンプが壊れてパワステクーラーをはずして負担を減らそうとしたんだけど、今度は圧が強すぎてすぐまた壊れてしまい、修復に時間が取られてしまったかんじです。
 結局、土曜日の朝までにはトラブルも解決したので、 予選日は、コンティションが悪かったこともあって、とにかく通ることを優先しました。
 1本目はフルウェットでしたし、2本目はドライだったので、どちらもそこそこの走りでまとめて9位通過。本音を言えばもっと攻めた走りをしたかったけど、練習走行ができていないなかで、ちゃんと通過する得点を出す、という最低限の仕事はできたかな、というところです。
 トップ32は村上選手との対戦でした。 普段であれば十分に勝てる相手ではあったと思うんですが、じつはこの日の練習走行のときからパワーが落ちはじめていたのをかんじていたんです。
 最初はグリップが上がったからなのかなんなのかの判断がつかなかったところもあるんですが、先行時の審査席前くらいでちょっと回転が落ちた場面があって、いつもなら踏み直せば回転がついてくるのに、ぜんぜんあがってこなくて…。ギヤを落として無理くりまとめたんですが、そのミスと相手のミスでワンモアタイムになったんですね。
 で、ピットに戻るタイミングでエンジンから異音が出ていたので、ピットでチェックしてオイルも交換してもらったんですが、ウォーミングアップで2周くらいまわったところでエンジンブロー…。戦わずして敗退というかんじで、最終順位も19位という結果になってしまいました。
 富士までにインターバルがそれほどない状態ではありますけど、 エンジンは以前Z33に搭載されていたものを移植することになりましたし、合わせてタービンもG42に変更することが決定してパワーも上がる予定です。
 去年の富士はパワー不足もあったので、 あとはいまだに発生してしまうステアリングロックさえ解決できれば、いいところにいける感触はあります。
 チーム全体としてもここのところトラブルが続いているので、をこをきっちり改善していきたいですし、ランキングもこのままじゃチャンピオン争いに絡めないポジションなので、富士では巻き返しを狙っていきたいと思います。


 今回は木曜日入りで…10周くらいはしたかな。前戦でトラブルが出ていたクラッチとかミッションがやっぱり調子が悪くて…だけど悪いながらもギヤ比とか、あれやこれやと調整して、それなりに仕上げることはできたと思う。
 木曜日の夜にはミッションを下ろしてあらためてクラッチを新品に交換。クラッチのライフも心配だし、ミッションの調子もよくないから、金曜日の午前中は情報収集に勤めて、ウェットになった午後にコンディションを確認するくらいに留めたかんじかな。
 で、土曜日は予報に反してウェットになったから6周くらい。コンディションを見ながら走れるだけ走るってかんじでさ。
 予選の本番1本目は雨。オレが走る時点でチャンピオン(カッレ・ロバンペラ選手)が89点を出してたから「ここは勝負したいな」とがんばっていい走りをしてたんけど…最後にスピン してしまったのが痛かったね。
 コンディションが思ってたよりも悪くなくて…走りも練習よりもよかったし、ラインはバッチリだったけど、そのぶん車速があがってしまい、うまくいきすぎてスピンってかんじ…。
 2本目はドライで、木曜日にドライ路面は走ったけど、そのときはまだゾーンが設置されてなかったから、1ゾーンは捨てて、2ゾーンから4ゾーンをきっちり合わせていく作戦。70点台の後半が出れば…というなかでの80点だったから、そこは狙い通りだったかな。
 追走日も練習は4周くらいで、最小限というかんじ。トップ32は田中選手との対戦で、オレが先行のときに相手がミスってくれたから、後追いはミスするほどがんばらなくてもよくて、そこはマシン的にもよかったと思う。
 そして小橋選手と対戦したベスト16。ここは 1セットで決着がつかずワンモアタイムにもつれ込んだんだけど、その1本目、小橋選手が2コーナーでミスって、こちらはうまく合わせていたんだけど、そこでミッションブローして敗退。
 小橋選手もS15シルビアのときほど乗れてないのはわかってたから、勝てるチャンスがあっただけに残念だね。
 次戦に向けては、クルマもミッションも強化されるし、クラッチもある程もつのがわかったら、馬力あげてもらう予定。ニューマシンということもあって、走らせかたのほうもまだ出し惜しみしてる部分はかなりあるし、エビスでは使ってないけど、アンチラグも導入されていい感触は掴めているので、次の富士はもっといい走りができると思うよ。


 マシンはつねにアップデートしていて、かなりよくなってきたと思いますし、今回からはスポッターとしてD1GPで活躍する藤野さんに来てもらって、選手としてもトップクラスの走りができるし、VRエンジンに も詳しく、マシン制作もこなせるので、多方 面からのアドバイスをもらうことができ、 体 制がかなり強化できたと思っています。ただ、今回はそれらがまだうまく噛み 合ってなかった部分があるので、そこが今後詰められれば、かなりいい状態になると思います。
 単走の1本目はウェット路面だったので、無難に行ったんだけど、ハミ出てしまって…。
 2本目はドライ路面ってことを意識してはいたものの、路面状況を見極めきれず小さくなってしまったかんじですね。
 今回からマシンのセットアップもある程度藤野さんに依頼してかなりトラクションがかかる方向になっていたんですが、自分のテクニックでは車速差のある相手に対して待ち切ることができず、食い戻されてしまい敗退という結果でした。
 エンジン的にはイケるはずなんですが、フロントに235幅を履いているからか、まだちょっとフロントが弱い印象なので、そこは次戦に向けての課題かな、と思っています。
 今回もマシントラブルは出てないですし、次戦に向けて藤野さんとオレとでコミニュケーションや意識的なところをリンクさせていく予定ですし、富士は得意なコースでもあるので、次はトップ16、その次はトップ8と、ひとつずつ前に進めていきたいと思っています。

 まぁまぁまぁ…というかんじで、最終的に練習から調子がよくなかったサイドブレーキがうまく効かない症状が敗因になったわけですけども、そこさえ解決できればという状況には持って来れたので、次戦に向けてはいい感触が掴めたラウンドだったと思います。
 サイドブレーキの症状は、エア噛みなのか、3~4回引かないとまともに効かない状態で、現場でマスターシリンダーとかを交換してみたものの、最後までその症状が治らなかった、という状態でした。
 それでも単走であれば、1回は効かせることができる、というのはわかってたので、ウェット路面のなかで走らせかたも変えて、それが逆にいい評価に繋がったのかな、と思っています。
 ただ・・・追走はあれこれ走らせかたとか距離感を調整してはいたものの、どうにもならなかったですね。
 先行のときは単走とおなじくサイドを効かせることができたので、きっちり走り切ったんですが、後追いは止まんないことがわかってたんで「最初はちょっと離れて、後半でうまく刺し込めれば…」という 作戦ではあったんですが、想定以上に距離があったのと、ちょっと奥に行きすぎて2脱しちゃったというかんじです。
 まだサイドブレーキの問題は解決していませんが、エビスに向けて大幅に変更したセットがうまくハマってくれたので、富士に向けても短い時間でサイドブレーキ問題を解決できれば十分戦える状態にはなっているので、ようやく、というかんじではありますが、上を狙っていきたいと思います。


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