2022 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.6 FUJI

2022 ROUND 6 FUJI

拝啓
 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 グッドライドジャパン株式会社は、グッドライドモータースポーツを発足し、フォーミュラドリフトジャパンに参戦することになりました。
 昨シーズンからはチーム体制を一新し、昨年のFDJ2チャンピオンの山中真生選手とアメリカのフォーミュラドリフトで活躍する益山航選手をワークスドライバーに抜擢して2022年シリーズを戦い、堀野仁選手と雨谷雄一選手をセミワークスドライバーとしてサポートしています。
 今シーズンもスポンサー各社のご支援とご協力のおかげでシリーズを戦い抜くことができ、誠にありがとうございます。つきましては11月18日(金)-19(土)に、静岡県の富士スピードウェイにて開催された第6戦(最終戦)の報告をまとめましたので、ご一読いただければ幸いです。

【イベント概要】
名称 2022 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.6 FUJI
開催日 11月18日(金)-19日(土)
開催場所 富士スピードウェイ(静岡県)
実施競技 11月18日(金)第6戦 予選
     11月19日(土)第6戰 決勝

【チーム概要】
チーム名 GOODRIDE MOTORSPORTS(グッドライドモータースポーツ)
代表 蕭偉城
統括ディレクター 山中 健司
レースディレクター ラーマン・ラセル
副代表 上甲 盛一・中村 圭太
チームディレクター 高砂 岳美
ワークスドライバー 山中 真生・益山 航
チームマネージャー 須原 綾乃
セミワークスドライバー 堀野仁・雨谷 雄一


ハイスピードドリフトが大迫力 な富士で最終戦開催!

 2022年11月18日(金)~19日(土)の2日間、静岡県の富士スピードウェイにて、フォーミュラドリフトジャパンの第6戦(最終戦)が開催されました。 競技区間は、例年と同じく100Rの途中に設けられたイニシエーション付近でドリフトを開始し、100Rを全開で飛び出しつつアウトサイドゾーン1を通過。その後振り返しつつアウトサイドゾーン2を通過し、アドバンコーナーのインクリップからアウトサイドゾーン3を通過してフィニッシュとなるレイアウトです。
 グッドライドモータースポーツとしては、FDJ2でチャンピオンを獲得してステップアップしてきた山中選手がランキング10位、アメリカのフォーミュラドリフトでも活躍しており、前々戦の奥伊吹と前戦の岡山で優勝した益山選手がランキング2位と好ポジションにつけています。そして、セミワークスとして堀野仁選手と雨谷雄一選手が参加しており、それぞれの活躍が期待されます。
 第6戦のMCはおなじみの冴場都夢さん、解説かつアングルジャッジとして今村陽一さん、スタイルジャッジにラビー西田さん、ラインジャッジにライアンセージさんという構成です。
 予選の1本目は堀野選手から。練習走行から調子のいい走りを披露していましたが、すこしラインが甘かったか、76点といまひとつ伸ばせず・・・。続く雨谷選手もゾーン1はよかったものの、ゾーン2で乱れ、ゾーン3で大きくコースアウトして0点。ワークス勢の山中選手も、大きなミスはなかったものの、クリップ付近でのフラつきを減点されて78点と、2本目に挽回しなければいけない状況になってしまいました。

会場は静岡県にある富士スピードウェイ。例年と区間は変わらないものの「簡単そうに見えてむずかしい」と解説の今村さんも言うほど、高得点を取るには奥の深いコースとなっています。
1本目ですでに予選通過を決める得点を出していた益山選手の2本目。思い切りのいい飛び出しから鋭い振り返しを決めつつポイントもきっちり抑え、94点で4位通過を決めました。
これまでは1本目で失敗しても2本眼で挽回していた山中選手ですが、今回はまさかの2本失敗。明確なミスではなかったものの、通過するほどの得点を残すことはできませんでした。

王者のかかる益山は4位通過、山中はまさかの予選敗退!

 そしてチャンピオン争い真っ只なかの益山選手は、NOSを導入して足まわりも煮詰めてきたのがよかったのか、1本目からミスのない素晴らしい走りで、ライン27点、アングル27点、スタイル34点の合計88点と通過確実な得点を残すことに成功しました。
 そして2本目。堀野選手は1本目よりも攻めた深い角度の走りで83点まで得点を伸ばして通過確実。しかし、雨谷選手の2本目は、インクリップの直前で大きく姿勢を乱したことがドリフトの戻りと判定されて0点。続く山中選手もゾーン1&ゾーン2ともにラインが小さくなってしまい、まさかの予選敗退という結果になってしまいました。
 そして益山選手。1本目からさらに攻めた走りですべての項目の得点を伸ばし、合計94点で4位通過となりました。
 決勝では逆転チャンピオンに向けて期待がかかります。

今シーズンはフロントのセットに悩まされ ていた雨谷選手。 2本目は姿勢が乱れたとき のカウンターの戻りをドリフトの戻りと判 定され、追走進出を逃してしまいました。

益山&堀野ともにトップ32でまさかの敗退!

 19日(土)の決勝日。快晴のなか前日の予選を突破した選手たちによってトップ32のトーナメントが争われました。
 まずは益山選手が田中選手と対戦。1本目は先行の益山選手が迫力のある飛び出しから鋭い振り返しを決めたうえ、アウトサイドゾーンもクリッピングポイントもきっちりと通過し、後追いの田中選手を大きく引き離す素晴らしい走りを決めてきます。これには解説の今村さんも「先行としては素晴らしい走りでしたね」とコメントし、有意な状態で入れ替えとなりました。
 そして2本目、ミスなく走る先行の田中選手に対して、飛び出しではやや距離を開けていた益山選手でしたが、振り返しポイントにかけて距離を詰めていきます。しかし、クリッピングポイントを過ぎたあたりでコースを大きくハミ出してしまうミス!
 何度もリプレイで検証された結果、3輪コースをハミ出てしまったということで、コースアウトの判定となり、まさかの敗退という結果になりました。
 続いてトップ32。堀野選手は箕輪選手と対戦。1セット目は両者いい走りを見せていましたが、決め手に欠いてワンモアタイムに突入しました。
 しかしその1本目、後追いの堀野選手はタイミングが合わなかったのか、振り返しでややふらついてしまいました。入れ替え2本目、先行の堀野選手はここでもクリップ付近でフラついてしまったことが響いて惜しくも敗退という結果になって しまいました。

トップ32。箕輪選手と対戦した堀野選手。ワンモアタイムまでもつれた戦いでしたが、先行では素晴らしい走りを決めた堀野選手でしたが、後追いで姿勢が乱れてしまい惜しくも敗退。
トップ32。田中選手と対戦した益山選手は先行の1本目に素晴らしい走りを決めて田中選手を引き離し、大きくアドバンテージを得たように思います。
トップ32。田中選手との対戦の後追いで益山選手は狙い通りに振り返し後にはピッタピタの距離感に詰め寄りましたが、この直後に流されてしまい、まさかの敗退となってしまいました。

益山はシリーズ4位でフィニッシュ!

 逆転シリーズチャンピオンを狙える位 置にいた益山選手でしたが、最終戦は18位という結果で終了しました。
 最終戦としては残念な結果となってしまいましたが、最終的にグッドライドモータースポーツとしては、益山選手がシリーズ4位、山中選手はシリーズ11位、雨谷選手がシリーズ35位、堀野選手がシリーズ42位という戦績になりました。
 今シーズンを戦い抜くことができたのは、ひとえにスポンサーのみなさまや、ファンのみなさまのおかげだと思いますので、1年間応援ありがとうございました。
 2022年シリーズが終わったばかりではありますが、チームとしては2023年に向けて準備を進めており、さらなる活躍ができる体制を整えていきますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

最後はシーズンを戦い抜いたグッドライド モータースポーツのスタッフ全員の集合写真を撮影。2022年シリーズの応援ありがとうございました。

 今回は・・・いままでのラウンドではなんとか回避できていた大きな課題が浮き彫りになり、シーズン初の予選落ちという悔しい結果となってしまいました。
 いま思い返せば、これまでになく練習走行で手応えを掴めていたということも敗因のひとつだったのかなと思いますし、目標としていたシリーズトップ10圏内が目前にあったうえ、昨年のFDJ2ではリタイヤで終わってしまっている“最終戦”というプレッシャーが自分でも気づかないところであったように思います。
 前戦からマシンへの大幅な変更はなく、事前にシミュレーターでの練習と、富士を想定して足まわりのセットとファイナルギヤを変更し、木曜日に開催された風間オートさんの練習会から会場入りしました。
 その練習会では事前に実施したセット変更が当たっていましたし、いいイメージの走りを決められたので、マシンへ余計な負担をかけたくなかったこともあって3本ほど走行したところで練習終了。予選日の午前中に実施された練習でも、2本目で狙っていた走りがパチッと決まったので、早めに練習を切り上げ、このまま予選に臨むことにしました。
 そして予選の1本目。午後イチということもあり、練習よりも路面のグリップがよくなっていましたが、こちらもタイヤの空気圧を調整済みで、予想通りといったところ。ただ、マシン的にはなにも問題がないにもかかわらず、練習でもしなかったような走りにしかならず、77点・・・。
 いつも通りといえばいつも通りではあるんですが、最終戦というのもあるし、このS15が最後だってのも言われてたので、気持ち的にそのプレッシャーをいきなりかんじちゃっていたんだと思います。
 2本目は逆に路面温度が下がってきていたので、 空気圧も調整していったんですが、ラインがちょっとずれて、踏めないところに入ってしまって・・・得点を大きく伸ばすことはできず、予選敗退となってしまいました。
 練習ではできてるのに、本番ではできないってのは完全にメンタルが原因だと思いますし、やはり1本目から確実に通る得点を出していかないとさらなる上位は狙えないと思います。
 今年1年参戦してみて、ルーキーのなかで最上位というのは自信にはなりましたが、追走とか雨とかもそうですし、今回の1戦で明確な課題が見えたので、この悔しさをバネに、オフシーズンに走り込んで経験値を重ねていきたいと思います。


 今回はシリーズチャンピオンが狙える位置にいることもあって、事前につくるまサーキットでテストもしてきましたし、そこでバネを変えて、リヤにスタビを追加して、NOSも追加したことで、かなり仕上がった状態で戦うことができたと思います。
 単走の予選では狙い通りの組み立てで1本目に得点を残し、2本目にはさらに伸ばして4位通過することができました。
 ただ、追走では金曜日に発生した足まわりトラブルで交換したパーツのセットが不十分だったこともあって予想外の特性が出て流されてしまって…。先行では確実にアドバンテージが取れてただけに、自分でもまさかという敗退になってしまいました。
 1本目で相手との速度差があるということはわかっていたので、後追いの2本目は後半で追いつく組み立てにして、狙い通りにインクリップ付近で追いついたんですが、予選のように1台で走る分には問題なかったんですけど、相手に合わせる必要のある追走で突然その症状が出てしまって・・・流されて3輪コースアウトという状態でした。
 ポイント差もわずかで、相手よりも上位でフィニッシュできれば逆転という状況だっただけに、せめてシリーズでも3位以内には残っておきたかったので、シリーズ4位という結果は残念です。
 とはいえ、今シーズンを振り返ると、ひさびさのFDJに新しいチームの一員として復帰したうえ、エビス戦からはマシンも変わったりしてかなりバタバタしてしまったなかで、天候や運にも味方されたとはいえ、チームの協力や自分の引き出しを最大限活用して年2勝を挙げられ たことは、自分の役割としてちゃんと仕事できたと思うのでホッとしています。
 それに、この優勝もそうですけど、シリーズチャンピオン争いに最終戦までもつれ込ませることができたことによって、すくなからずチームの意識もシーズン初戦当初とは大きく変化してきたと思います。
 最終戦の結果こそ残念なものになってしまいましたが、いまは「来年はもっと上にいこう!」「来年こそはチャンピオンを!」と、チーム全体で意気込んでいますし、すでにオフシーズン中のテスト予定も組まれているくらいです。
 個人的にはシーズンオフの活動が翌年の勝負に直結すると思ってるので、来シーズンも応援よろしくお願いいたします。


 今回は木曜日の風間オートさん主催の練習会から参加していて、少ない本数ながら走りはまとめられていました。富士は好きなコースということで、今シーズンのなかでもイチバンセットも決められていたと思います。
 予選日となる金曜日も順調で、予選1本目は無難すぎる走りで76点と、そのままでは不通過となる得点でしたが、2本目は攻めて83点。80点台の後半を狙ったところですけど、ふたつ目のアウトゾーンへの接近具合が甘く、思っていた得点とはなりませんでしたが、26位で通過することができました。
 ファイナルギヤを変更して挑んだ決勝日。トップ32では箕輪選手と対戦しましたが、そこで敗退という結果になってしまいました。
 ワンモアタイムになったとき、振り返しで思いっきりいってしまうと戻されてしまうというのはわかっていたんですが、攻めるしかなくて・・・100Rで一瞬点いたブレーキランプに止められちゃって、リズムが乱れて振り返しで先に返さざるを得なくなってしまったのが敗因ですね。
 シミュレーター上がりのドライバーはスピードコントロールとか距離を伸ばすような左足ブレーキを使うんですけど、それが未経験だったのもあって対応できませんでした。
 今シーズンは後半になればなるほどまともになっていたので、マシンの完成が遅れてしまったのがシーズン中にも響いてしまったというかんじです。来年に向けて改善することは多々あるので、自分も含めてアップデートしていきたいですね。


 前戦はフロントが転がりすぎて予期せぬ挙動が出てしまったので、富士戦に向けてナックルを変えて、茂原でテストも実施してきたんです。
 でもやっぱり本番とは速度域がちがうからか、茂原では感触のよかったセットでしたが、富士ではフルカウンター時に逆関節症状に似た引っかかりが出るようになってしまって・・・。
 それが予選本番の1本目に出てしまい、引っかかりが戻ってくるまでなにもできない状態になってコースアウトしてしまったというかんじです。
 2本目までにはセットを変えて、フルカウンターにならないようストッパーを調整していったのですが、こんどはそのストッパーに弾かれてしまうカタチで、大きく戻され、なんとかごまかそうと操作したんですが・・・ドリフトの戻りと判定されてしまい、得点を残すことはできませんでした。
 年々進化していくFDJの状況に合わせて、攻めたセットできていたのですが、それでハマってしまって・・・。今シーズンはそれをなんとかいい方向にしようとあれこれ試行錯誤したんですが、それがぜんぶ仇となってしまって、なんかどこかカラまわりというか、うまくいかなかったですね。
 最終戦が終わったばかりではありますが、グッドライドモータースポーツのセミワークスとして継続できるお話をもらっていますし、来シーズンに向けてこのオフシーズンにしっかりとテストして、来年は今シーズンの鬱憤を貼らせるような、自分らしい走りができるように、選手生命を賭けるくらいの気持ちでリベンジしたいと思います。


TO TOP